胸の開いた真っ赤なドレスよりも、ハイネックのふわふわのセーターを。
知り合いもいない海外に一人で行って生活をするのは怖くもないし、
別に勇気がいるものでもないと思う。
どんなことをするのにも、不安よりも楽しみの方が多いのはいつものこと。
留学だって、就職活動だって、いろんな出会いだって、不安より楽しみの方が
ずっと大きかった。
だから一人でなんでもやってしまう様に見られることも多かった気がします。
でもやっぱり一人でいるというのは怖いし、寂しいし、ましてやいろいろと
落ち込む要素があると顔も体も心もぼろぼろと崩れていきそうになる。
楽しみだったことが、ある一つの事実で憂鬱になったり、いやになったり、
せつなくなったり。
真っ赤のドレスをみつけて試着した時に、気に入って即購入してしまった。
黒のドレスはいくつも持っているけれど、赤はもっていなかったし、いつか
欲しかった物だった。
ストレートだった髪におとといパーマをかけた。ストレートの髪は自分に
合わないと思う。クリスマスパーティの日、環境が変わると荒れがちな肌に
お化粧をして、いつもよりも多めにマスカラを塗ってみた。
普段はローヒールの靴が多いけれど、9cmのピンヒールを履いてみた。
赤い爪と赤いドレスと赤いコートと高いヒール。これらは私の鎧。
いろんなことに負けないように、凛とできるように、鎧を着るの。
靴擦れで足が痛くても、露出した肩にどんなに風が冷たくても、
鎧だったからそのままでいたの。
気が強そうな格好して、ダメージを受けないように、気を張るの。
でも本当はふわふわのセーターや、暖かいブーツやピンクのマニキュアが好き。
マリリンモンローじゃなくて、優しい雰囲気を持った女性になりたいの。
鎧を着ていても、ダメージは受けるしこれはいつまで続くかもわからない。
どんどん厚い鎧を着てしまって、重すぎで自分で動けなくなっちゃう。
誰か脱ぐのを手伝って。