ドイツとイタリア

pinoura2006-05-17

さて、23日にあるEU統合の試験に向けて勉強中です。これがまた面倒臭いんだ!欧州議会(European Parliament)がどのようにしてその政治的な力を段階的に得てきたか、とか、いろいろあって覚えられません。うぎゃー!


えっと、まぁEPなんていいんですよ今日の日記は。前々から思っていたことを書きましょう。


欧州の政治を勉強していると必然的に第二次世界大戦からの各国の関係が複雑に絡んでくる状況に出会うわけですね。政治にしても、経済にしても防衛問題にしても。


で、色々読みながら、各国の状況とか性格とか見えてくるんです、歴史を通して。


大学内にいるとヨーロッパのそこらじゅうからの学生も一杯いるわけで、例えばあたしの隣人はイタリア人とペルー人だし、同じフラットにはアイルランド人もドイツ人もオランダ人もいます。


みんな、それぞれ国をベースにした性格とか好みとか気性があるんですよ。これは4年もこういう環境で暮らしていると自然とわかることなんだけれど。


さて、話を元の方向に引っ張ってきて…欧州の、第二次世界大戦の様子を考えてみました。ドイツ&イタリアのファシズムに脅威を覚えるフランスなど、他の国々。


ドイツとイタリア…ゲルマンとラテンですね。まったく正反対の気質を持った二国。ご存知の通り、ドイツ人は真面目です。時間も守るし、掃除もするし、穏やか。イタリア、お祭、おおらか、時間は適当(スペイン人の方がこれについては上手ですが)。トリノ五輪の際の地下鉄工事とかバスの運行具合などは、やはりラテンだなと思わざるをえない状況。


思ったんですよ。二次大戦時、この二国は一緒に戦ったわけだけれども、こんなに性格の異なった二国でよく戦争を進めたな、と。


例えば。


ヒトラーはその日午前10時にムッソリーニとの会談の約束があった。しかし、10時を5分過ぎた時点でムッソリーニはまだいない。ヒトラーはコーヒーを10時に一番美味しい状況で淹れられる様に準備をしていたというのに。クッキーも10時に焼きあがるようにしていたのに。


10時半になってやっとムッソリーニから電話で「今起きた〜」と連絡がはいる。「軍用機で今すぐ行くから、30分で着くよ」と、ムッソリーニは言う。


しかし、11時になってもムッソリーニは到着しない。ヒトラーは、会談を行う部屋で、10時からずっと同じ椅子に座って待っている。いつムッソリーニが部屋に入ってきても失礼の無いように。


12時は彼の昼食の時間だから、会談がその時間にかかるのは一日の予定がくるうから避けたい。しかし、ムッソリーニは来ない!とイライラが募る。その頃ムッソリーニは、軍用機の中でパンとコーヒーの朝食を楽しんでいる…。朝食が終わる頃にはドイツに着くのに、到着してもヒゲの状態が美しくないので10分かけて綺麗に整えてからタラップを降りる。


こんな感じ。


絶対あったと思うんですよ。イタリア側が時間にルーズで、ドイツがイライラしてたっての。大戦中に。


「全て完璧にしたいのなら、オリンピックやW杯は毎回ドイツか日本で開催すればいい」とヨーロッパ人が言うくらいですからね、やっぱりドイツは時間に正確、真面目で通っています。


対するイタリア、これも逸話が。イタリア語で未来形の文法って、ちょっと「不確かなこと」を言うときに使います。確実なことなら、未来の話であっても現在形で表現してしまう。ところが、駅に行くと未来形で電車の発車時刻のアナウンスがあるとか。


「多分この時間に発車すると思いますが、さてどうでしょうね。なんせここはイタリアですから」


みたいなニュアンスが含まれているのかしら…と、勝手に考えてみたり。「イタリアの電車はいい加減だから」と、イタリア人も笑って言います。


えーっと…これが、私が数ヶ月間ずっと考えていたこと。ああ、書いてすっきした。



今日の写真:
去年夏のBBQ。陽だまりが美しい。