システム御紹介

pinoura2006-05-24

毎日毎日試験が、勉強が、図書館が、と騒いでおりますが、イギリスにいらっしゃらない方にとっては「なんのこっちゃ」って状態ですよね。なので、今日は改めてうちの大学のシステムを御紹介いたしましょう。


イギリスの大学は3年制です。日本人は、日本の高校を卒業しただけでは一年生にいきなり入ることはできませんので、1年生の前にBridging Yearという一年間のコースを取ります。これを無事に終了(試験合格と充分なIELTSの点数が必要)すると、晴れて1年生になれるんですね。


1年生(2年目)
いきなり専門教科を学びます。一般教養なんていうものはありません。学部、専攻によって履修できる教科数は異なりますが、私、政治学科では一年間に4つのコースを取ることができます。因みに、私は社会科学部政治学科政治国際関係学専攻。


国際関係学専攻の生徒は、1年生で3教科が必須科目。残りの一つは社会科学部の授業なら好きなものをとることができます。私はフランス語をチョイス。


成績は、エッセイ+コースワークが50%、年度末試験が50%の割合で計算されます。一年で平均40点をとれば、進級可能。


しかし、1年生の必須教科はエッセイ+コースワークでも40点以上、年度末試験でも40点以上とらなくてはいけません。選択教科の場合、例えばエッセイ+コースワークで80点をとっていれば、試験は0点でも大丈夫ってこと。しかし、これが必須教科であれば、エッセイ+コースワークで100点を取っていても、試験で39点だったら落ちます。


もし、この必須教科を落としてしまうと、2年生にはなれません。もう一度一年生。しかも、まったく同じ教科を全部取らなくてはいけない…たとえ、試験でその他の必須教科が受かっていたとしても、です。


そんな状況、お金と時間の無駄です。因みに、欧州圏外生の学費は教室ベースで160万、実験室を使うコースは200万。しかし、追試というお助けもあります。追試で受かれば、2年生になれるのです。あんまり受かる人いないみたいですが。


2年生(3年目)
さて、無事に2年生になれたとしましょう。年度末試験が待っています。2年生も4教科。必須科目は2つに減りました、私の場合。そして今年は試験で2教科落としても進級できます。2年生と3年生の二年間で、あわせて2つまで落としても卒業はできるらしいんですね。


しかし、追試はありません。容赦なし。落としたら、落としたで終わり!学部によってはあるみたいですが(それもマイノリティだけれど)、政治学科はありません。もう一度、2年生。同じ教科を1からやり直し。


3年生(4年目、最終学年)
無事に受かり、さて3年生(最終学年)。去年無事に全部受かったので、今年も2つ落としてもOKな余裕はあります。しかし、ここからが厳しいのですよ〜


1.追試無し
2.落ちたら、退学。最終学年をもう一度やることはできない。
3.他の大学の3年生に編入、というのもできない。編入したかったら、2年生に、学部を変えて入る(つまりまったく違う教科ってことですね)
…たしか。


こんな事情があるので、毎年年度末試験はイギリスの大学生にとっては恐怖な物なのです。


明日は試験のシステムでも紹介しようかな…


IELTS=イギリス圏っていうのか?オーストラリア、ニュージー、カナダでも使われる英語能力試験。TOEFLみたいなもんです。


今日の写真:
フランス。休憩がてら、ベルギーワッフル食べながらこの写真撮ってました。