テストはこう受ける

pinoura2006-05-25

はい、年度末試験をちょこっと紹介しましょう。


社会科学部の試験は基本的に一教科3時間のテストを受けます。但し、語学は2時間の場合が多いのですが。


3時間の試験の中で、答えなくてはいけない数は大体3か4。問題は12問から14問ほどあるのではないでしょうか。


つまり、自分で好きな3問(4問)をこの12問程度の問題文から選べばよいのです。そうすると、一問あたり45分から1時間で解けばいいんですね。


そして、試験は2つのセクションに分かれています。大体、一学期と二学期に習ったトピックとして分かれているかな。最低でも各セクションから1問づつ答えなくてはいけません。つまり、セクション2から3問答えるっていうのはダメなのね。


しかし、この問題が非常に曲者。基本的には、エッセイ形式(論文)で答えを出さなくてはいけません。もしそのトピックについてしっかり勉強していないと、書けないんですよ。自分が勉強したトピックが出題されるとは限らないので、最低でも5〜6トピックはカバーしておきたい。


例えば、去年の国際関係学の試験。


Why, according to Kenneth N. Waltz and John Mearsheimer, is the balance of power still relevant in the post Cold War period?
(ウォルツとマーシェイマーによると、何故「勢力均衡」は冷戦後の現在の状況でも関連性があるといえるのだろうか?)


ここで、まずウォルツとマーシェイマーが何主義派の人たちなのかを知らないと書く物もかけません。現実主義とか、自由主義とかね。それによって、論文の方向性はまったく逆になってしまいます。


そして、それを知っていても、「勢力均衡」が一体何を表し、どんな論を打ち立てられているのかを知らないと書けません。


そして、上の二つを知っていても、今現在の世界の状況を知らないと書けません。


そんなわけで、一問の中にも知っておかなくてはならない物が3つも含まれているわけ。コレを、一時間で終わらせなくてはいけない。考えをまとめ、書く順番を考え、実例を考え、ひたすら書くのです。私の場合、最初にアイデアをまとめるのは3分位かな〜。後は書きながら、考える。じゃないと時間がないんです。


一つ終わったら、頭を切り替えて次の問題へ!息ついてる暇もないのよね…。しかし、去年は問題を見た瞬間に凍りつきました。セクション2で、答えられる問題が無かったのです。いや〜、今思い出しても恐ろしい。


でも、答えないと0点ですからね。あてずっぽうでも書きます。なぜかって、採点者が国際関係学を全部把握しているわけじゃあないから、自信を持ってハッタリ書いても、多少は通用することがあるの(かもしれない)!!答えた問題は、以下。


Do you agree with Johan Galtung that the European Union is “A Superpower in the Making”?
(あなたは、ガルタン(?)の唱える「発達中の欧州連合はスーパーパワーである」に同意するか?)


まず、ガルタンを知らない。何主義派なのか、はっきりはわからない。つまり、彼がどのようにこの論をアプローチしているのかわからないから、ちょっと困る。そして、ぼんやり覚えているのが、「in the making…?」と、悩んでしまった。


「発達中(発展中)」を、何故かこの時に意味をとらえることができなかった気がするんですよね。でも、まぁ書くしかないんで書きましたよ。


その時すでに時間は40分位しかなかったんだけれど、何とか何とかごまかし、ガルタンが何を言ったかしらないから「ガルタンの様な多元論主義者は…と言う」の様にお茶を濁しながら(大体、彼が多元論主義かどうかもわかんないんだけど)、書き終えた覚えがあるのです。



あれは、本当に冷や汗物でした。だから、試験結果がでて無事に合格していた時は、ちょっと自分の目とパソコンを疑ったのよね。


土曜日の試験は3時間で12問中4問を答えなくてはいけません。半分は発展途上国が抱える問題について、半分は途上国での女性が抱える問題と状況について。


一問あたり45分しかないのが不安だけれど、頑張りマース!


今日の写真:
アンデルセンの人魚姫@デンマークコペンハーゲン。強風。